ある引退牧師の奨励を聞きつつ

 ある引退牧師が地域の祈祷会で、受肉の話をされた。日本人の作詞作曲者が少ない中、「まぶねのなかに」は、受肉したすばらしい賛美歌だという話だった。その先生は礼拝の会衆賛美で歌う歌を選ぶのに、説教にぴったりの賛美歌がなくて、毎回、選曲のために1時間以上かけているとのことだった。そしてこんなことも言われていた。自分が作詞作曲ができるのだったら、毎回礼拝説教に合った賛美歌を作りたいぐらいだということだった。その先生は聖潔派の牧師なので、私たちよりも、聖潔派の新聖歌からの選曲は容易だと思うのだが、苦闘されていることがわかった。

 この先生のお話を聞きながら、今日本の教会に必要なものは牧師が自分が語る説教との関連で選曲しやすい歌集ではないかと思った。仮に説教にぴったりの賛美歌の歌詞が見つかっても、牧師自身がその曲を知らなかったり、牧師が知っていても会衆が知らなかったり、奏楽者が弾きにくかったりすることがある。なかなか選曲は難しい。客観的に一貫性のある基準で選ぶなんてこれもなかなかできるものではない。自由教会系の牧師ならば、どの牧師も選曲でかなり苦労しているように思う。私はこの引退牧師の奨励を聞きながら、歌集を作成する場合、まずは牧師自身に馴染んでもらうやすいものにしないといけないと思った。


どんな歌集にしようか・・・

1、だから牧師が使用しやすいもの(説教との関連で)
2、一般に向けても丁寧な説明が施されているもの(賛美歌学的アプローチ)
3、伴奏者が使用しやすいもの(ギター伴奏ならギターコード)
4、口語体へのたゆまないチャレンジ精神に満ちたもの
5、歴史的霊性の探求だけでなく、現在の教会の文脈に語りかけるもの
6、礼拝改革的アプローチが施されているもの
7、他の歌集との区別が明瞭なもの(公同礼拝的・共同体的・生活現場的)
8、すでにある歌集を持ちながらも併用したくなるようなもの
9、この歌集を用いて創造的なアプローチが可能なもの(想定外に対応可能)
10、絶えず手元に所持したいと思って頂けるもの
11、ゲーム性(多言語対応、場の設定、輪唱、替歌、創造的アーメン唱、アイデア紹介)
12、他の歌集との関係性に気を使った歌集