40年ほど前の東京キリスト教短期大学チャペル

 40年ほど前、私は東京キリスト教短期大学に入学した。あれから40年間、いろいろなところで礼拝をささげてきたが、伝統的なhymnをあんなふうに元気に歌うチャペルはあれ以来遭遇していない。私は聖歌を使用する教派出身であったが、あのチャペルで歌われた昔からの讃美歌(日本基督教団発行)は私にとって毎日が新鮮であった。私はあのチャペルで生き生きした讃美歌を聞いたので讃美歌が好きになった。今の時代では考えられないだろう。20歳前後の若者と教師たち70名ほどが若者のなかでは古い歌とされるhymnを心から歌っていたのだから。

 つまり、worship songでもなく、black gospel でもなく、聖歌的なgospel songでもない、昔からのhymnを大声で歌っていたのだから。確か基本的にユニゾンだったと思うが、勝手に倍音が生じ、不思議な音が響き渡っていたようにも思う。伴奏楽器は11ストップの足踏みリードオルガンであった。おそらく、私が入学した頃は、学生の大部分が三谷幸子先生のクワイヤーに属していたので、それが原因していたかもしれない。古いチャペルで、そんなに残響があったわけではない。私の記憶では、よく訪問してくださった説教者がこのチャペルでの会衆賛美をほめてくださった。日本でhymnの賛美が回復しないだろうか。回復のために何をしなければならないのだろうか。