O Holly Night

 英会話の先生が、昨日、クリスマス曲のなかで一番好きな曲は何ですかと質問されたので「O Holly Night 」と答えました。そういえば、どの日本訳も印象深い訳なのですが、私が三谷幸子先生から教えてもらった津川主一訳「ふけゆく厳かの夜」は、ほとんど知られていないようです。あまり厳密な訳になっていないからなんでしょうか。もちろん讃美歌集に導入されなかったからでしょう。合唱畑の方だったからでしょう。由木康(1896-1985)、津川主一(1896-1971)、中田羽後(1896-1974)面白いのは、三人とも同じ年に生まれています。さて、この曲の伴奏ですが、三谷先生から頂いたあの伴奏楽譜のような、間奏と後奏がほとんど聞けなくなったのは残念です。最後にアップしておきました。コピーが普及していない時代、一曲一曲写譜していたんですね。


由木康訳(讃美歌第二編)
1、さやかに星はきらめき  御子イエス生まれ給う
長くも闇路をたどり     メシヤを待てる民に
新しき朝は来たり      さかえある日は昇る
いざ聞け 御使い歌う 妙なる天つ御歌を
めでたし 清し今宵

2、輝く星を頼りに     旅せし博士のごと
信仰の光によりて      我らも御前に立つ
馬槽に眠る御子は 君の君 主の主なり
我らの重荷を担い 安きを賜うためにと
来たれる神の子なり

3、互いに愛せよ」と説き  平和の道を教え
すべてのくびきをこぼち   自由を与え給う
げに主こそ平和の君 類なき愛の人
伝えよ その福音を 広めよ 聖き御業を
たたえよ 声の限り

中田羽後訳(青年聖歌)
1、清らに星住む今宵    神の子ありましぬ
汚れに染める世人に     命を与えん為に
望みの明日を迎え   喜びの日を仰ぐ
ああ誰も聞け御使いの 歌声 空渡るを
キリスト生まれましぬ

2、信仰の光をたどり  我らも拝し奉まつらん
奇しき星影踏みて  来たりし博士ならねど
馬ぶねに眠る御子は  世の悩み負う主なり
ああ主こそ世の罪人の友なれ いざ来たりて
委ねよ 汝重荷を

3、愛をば教え給いし  主はげに平和の君
奴隷の鎖 裁ち切り  主は自由を与え給う
誉め奉れ我らの主を  謝し奉れ主の愛に
ああ彼は主の主にませり 称えよ その力を
伝えよ その栄えを

津川主一訳
1、更けゆく厳かの夜    神の御子あれましぬ
重荷に得堪えぬ世をば    憐れみ救わんとて
望みにひと踊り立ち     うれしき朝明けゆく
御使い 歌(うと)う声を聞け
ノエール、ノエール めでたき夜
ノエール、ノエール めでたき夜

2、尊きその御教えは    形見に愛すること
奴隷の鎖を断ちて      我らを解き放てり
楽しく共に歌いて      おお御名讃えまつらん
上なきこの御栄えよ
ノエール、ノエール めでたき夜
ノエール、ノエール めでたき夜