なぜ「主よ 讃美歌集をください」なのか(6)

 車の中で音楽を聞きながら賛美している人を見た。この人は車の中で一人で賛美をしているが、車の中がこの人の舞台ではなかった。この人の頭に描いている舞台は、コンサート会場であり、賛美集会であり、礼拝であり、外国の行ったことのない大礼拝、なのだ。つまり、車の中でこの人は歌っているが、頭の中では大集会で有名なミュージシャンと共に歌っているのだ。つまり、車の中と会場が繋がっているのである。このような状況を見ていると、やはり音楽の大きな力は場所ではないかと思う。どの場所で歌っているか、である。今、ヒルソングが若い人たちに広がっているが、ヒルソングの現場を頭に思い浮かべて、人々は賛美している。また私が中学生の時、一人で、ギターを弾きながら、「友よ歌おう」(歌集の名前、ゴスペルフォークというジャンルかと思う)を歌ったが、あの時は、キャンプ場でみんなで歌っている様子を思い浮かべながら、歌っていたのである。私が育った教会で子供集会をした時、沢山の子供たちが来た。そして、その子供集会でみんなは元気に、「ハレルハレル」(救いの聖歌集)を歌った。そうしたら、みんな帰りの道で、歌っているではないか、子供集会の余韻は帰り道まで続いていた。次の日曜日は来てくださるだろうかと思ったものである。ライフスタイルに入り込むのは容易ではないが、それが我々の目標としなければならない。